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まもなく不惑の女が惑いまくる様を記録する日記。

劇団☆新感線「神州無頼街」をライブビューイングで見た

私は劇団☆新感線のファンだ。ファンになってかれこれ、20年くらいになる。

初めて存在を知ったのは高校生の時。たまたまつけたBSで劇団☆新感線の特集が組まれており、放送されていた「髑髏城の七人(1997)」を観たのがきっかけだった。派手な音楽や衣装や照明、オモシロとシリアスが絶妙に混ざり合ったストーリー、歌や殺陣やダンスなどのミュージカル性、いのうえ歌舞伎と呼ばれる歌舞伎のような演出、何より看板役者である古田新太の格好良さにどハマりし、再放送の日程を調べ、録画した。1日1作品、月曜日から金曜日まで放送していたので、合計5作品も観ることができた。今考えるとありえないことだ。

社会人になって自由にできるお金が出来てから、東京まで行って生の舞台を観るようになった。どの作品も最高だった。しかし、コロナ禍になってからは一度も行けていない。悲しい。

そんな地方在住者にとっての救いの星、ライブビューイング。全国の映画館にて、生放送で舞台を観ることができるこの取り組み、考え出した人にジャンピング土下座をかましたいくらい本当に感謝している。

ただいま東京にて上映中の劇団☆新感線の舞台、「神州無頼街」が、先日ライブビューイングで上映されたので、もちろん行ってきた。

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神州無頼街|しんしゅうぶらいがい公式 - 劇団新感線

以下、微妙にネタバレありなので、ご注意を。

 

 

 

これぞ新感線、という、派手でオモシロで爽快な舞台で、私としては大興奮&大満足。宮野真守と新感線の相性が良すぎる。福士蒼汰も可愛く格好良く、前回の新感線出演時より、なんか芝居の芯?みたいなのが太くなった感じでよかった(偉そう)。

新感線の舞台は割とたくさん観てきたので、あの話と構造が似ているな〜とか余計なことも思ったりしたけど、裏切って、また寝返って、みたいなことがあまり起きず、シンプルな対立構造だったので分かりやすくて良かった。

何より印象的だったのが、「出産」「赤児」など、「生」を直接的に描いていたこと。これまでも、たとえば「シレンとラギ」のラストシーンのような「再生」とか「再出発」とかは描かれていたことはあったけれど、ここまでダイレクトに「いのちが産まれる」ということを描いたのって、私が知る限り初めてなんじゃないか。

本当は2年前に上演される予定だったが、コロナ禍で一度中止になり、このタイミングで満を持して上演となったこのお芝居。コロナ禍で安全安心が脅かされる中、それでも生きていく、ということを、印象的に描いていたと思う。

あとは、松雪泰子演じた麗波の設定、麗波と高嶋政宏演じる身堂蛇蝎の関係性、最後のまとめ方(男2人のバディで遺児を育てていく)なんかに、性やジェンダーの多様性、いわゆるLGBTQの要素を取り入れてた感じも、印象的だった。衣装の色合いもレインボーカラーだった一軍もあったけど、それは考えすぎかな?

とにかく、エンターテイメントとして最高だった。上演してくれて感謝。無事観ることができて感謝。ライブビューイングだと、ビール飲みながら観劇できるというのも結構嬉しいポイントです。生で観たいけど、これはこれでオススメ。