ジェーン・スー「生きるとか死ぬとか父親とか」を読んだ
「ジェーン・スーと堀井美香のOVER THE SUN」というポッドキャスト番組にハマったことは以前書いた。
毎日通勤退勤のお供として聞いており、仕事がつらくても「負けへんで!」の精神で何とか乗り切っている。親しみも込めてスーさんとお呼びすることとするが、スーさんのことがもっともっと知りたくなった私は、何冊かの著書を購入。今のところ一番好きだな、と思った、「生きるとか死ぬとか父親とか」を紹介したい。
父親と過ごす時間やあれこれと共に、それにまつわる過去のエピソードをエッセイ的に綴ったこの作品。スーさんの母親が既に亡くなっていることはポッドキャストを聞いていて知っていたが、まさかこんなふうにスーさんが介護していたとは…
両親が同時に病に倒れ、一人っ子のスーさんが介護を背負っていたときの大変さ、ジレンマ、借りたくない手を借りざるを得ない状況に至ったことなど、淡々と記載されているけど心の叫びが聞こえてくるようだった。
父親にフォーカスは当たっているようで、これは家族の物語だった。いわゆるナラティブだ。スーさんが語る家族のストーリー。
ここにくるまで葛藤は大きかっただろうし、今でも葛藤はあるんだろうけど、前よりはほどよい距離感で父親との関係を維持されているようで、スーさんすごいなぁ、大変だったろうなぁ、頑張ったんだろうなぁ、だからこそ今ポッドキャストで語られる内容に深みがあるんだろうなぁ、と思った。
いろんな人の気持ちに寄り添えるスーさん。考察の視点が深く本質的で、でも人を傷つけないよう配慮も欠かさないスーさん。それはこんなバックボーンがあったからなのかな。
まもなく不惑のプレおばさんとしては、スーさんみたいになりたいし、できるんだったらお友達になりたい(無理なのは分かってるけど)!
この本を読んで、そんな気持ちがますます強くなりました。おすすめ。